キャンベラの草原で(WWOOF2軒目)②

日本食が恋しすぎて死にかけているえのきです。
今回はシドニー出発後のWWOOF生活の続きです。
キャンベラの草原で(WWOOF2軒目)①

前回の投稿ではキャンベラ(正確にはキャンベラではないのですが)のWWOOF生活の概要についてご報告しました。

ですが一口に「田舎」と言えど千差万別。Goulburnのように人口2万人いる比較的大きな田舎から、人口が片手で数えられる程度しかいない田舎(それは田舎と呼んでも良いのでしょうか…?)まであるでしょう。

今回訪れたのは後者です。ライフラインなどくそくらえ、野生とともに生きるものが集う強者どもの宴に参加してきました。100年早かったです。

はりつめた弓の ふるえる弦よ
月の光にざわめく おまえの心
とぎすまされた刃の美しい
そのきっさきによく似た
そなたの横顔
悲しみと怒りにひそむ
まことの心を知るは~~??

トラックに載せられて

朝7時、キャラバンを出るとおじいちゃんが揚々と待ち構えていました。

「今日はbushへ行こう!1日じゃ戻れないぞ!」

bush……??茂みに行くの??と不安になる私。とはいえ、自然のカンガルーみたいだろ?と言われると確かに見たかったのでトラックに乗り込みます。なんとなく一抹の不安を覚えたのでペットボトルに新しく水を詰めて。

行きにスーパーへ寄ってチキンやトマトやビールを買いました。ビール箱で買ったのはなぜ??

そのまま車に揺られること2時間……。

ブルーマウンテン国立公園の入り口に到着しました。

怖いこと書いてあるな
・食べ物、水、タイヤ、服の予備を持っていくこと。4WDで行け。

看板の前で少し昼休憩を取ることにしました。買ってきたチキンやトマトを持参した食パンに挟んで食べます。そういえば、食器類何もないな。チキン(一羽丸ごとローストされているやつ)とかトマトどうやって切り分けるんだろ。

そんなことを思いながらトムを見ていると、彼はニコニコしながらおもむろに鳥を鷲掴みにし、素手でバリバリと肉をばらし始めました。

なんて豪快な…。

彼も満足げなので良いということにしました。私も素手で鳥のカケラを掴み丸ごとトマトとともにパンに挟んで食べました。手を拭うものは何もありませんのでベタベタです。衛生観念に対する価値観の差を感じながらも、まあこんなものだろうと納得して先に進むことにしました。

まさかこれがただの序章だったとも知らずに…。

しばらく車を走らせると、次第に道は険しくなってきました。地面は岩々で覆いつくされボンボンと車体を跳ねさせながら進んでゆきます。

当たり前ですが電波は既に入りません。ここでトラブルが起きでもしたら一巻の終わりだなあと遠い目をしながら車体に合わせて体を揺らします。

1,2時間ほど走ったでしょうか。その間1台も他の車にすれ違うことなく目的地に到着しました。

開けた場所に出た!

広がる荒野の彼方に3匹の馬と跳ねる動物の影が見えました。

カンガルーです!

考えてみれば野生のカンガルーをまじまじと眺めたことはないなあと思います。トムに言わせたら「ただのネズミ、撃つのたのしい」とのことでしたが。うーん止めて。

敷地内にはしばらく前に建てられたらしい家がありました。

怪しい雰囲気。ドアを開けると埃がもわっと舞い上がりました。

家具に積もった塵を見るに、1月以上は放置されていそうです。実際この家は家の体裁を成しているものの、電気ガス水道のライフラインが一切備えられていませんでした。

ここでトムはキッチンに行くと、おもむろに私に「コーヒーでも飲まないか?」と尋ねてきました。もちろん良いよと返します。でも、水をどこから持ってくるのでしょう…???

しげしげとキッチン用具を眺めるトム。薬缶の中に水が残っているのを見てニヤリと笑みを零しました。

まさか…。

持参したガスバーナーで火を点けだしたトムを見て疑いが確信に変わりました。

こやつ、ありえん昔の水でも沸かせば飲めると思っていやがる。

不衛生な水を飲むこと自体も問題ではあるのですが、それよりも憂慮していたのがトイレの問題です。水道がないこの家で腹を下すようなことがあれば間違いなく色々終わります。

トムは完成したコーヒーを私に手渡すと「ベランダで飲もうぜ!」と外へ歩いてゆきました。

ベランダに座る私

ベランダの床は一面にウォンバットの糞が入り乱れ、照り付ける太陽と傍で横たわるカンガルーの死骸が過酷な環境に生きる命の美しさを醸し出していました。

しかし眼前には素晴らしい国立公園の景色。鳥の鳴き声と風邪のそよぐ音を聴きながら飲めば、きっと出土不明の水であっても美味しく……

ない。

無理がありますね。群がるハエとアンモニア臭が気になってコーヒーの香りは分かりませんでした。

ティータイムを終えると、土地を貸し出しているらしい隣人のところへ様子を見に行くことになりました。

なんとその隣人は1ヵ月近くこの場所で生活をしているらしいのです。

しかし最近は雨が降らないせいで川も枯れ果ててしまっているのだとか。オーストラリアでいつも付きまとう水問題ですが、ここでも同様なのだと感じました。

バッテリーとか見せてもらったり

オーストラリアは土地が広いので、場所によって人々の生き方の差が激しいことをよくよく実感します。街での生活とは正反対の何もかもが不便な生活ですが、魅力に感じる人もいるのでしょう。

家に帰ると夕食を作ることにしました。

ガスボンベの有用さ
ビールを飲むのはここ。大切な水分補給。

一番安心してありつけるのが箱買いしてきたビールなことが何とも言えませんでした。ちなみに車の中でほっかほっかに温まっていました。

食事を終えて外に落ちている資材をトラックに積み込んだら食器洗い。なんかずっと前から放置されていたようでシンクの中に皿やカップが積もっていました。とはいえどうやって洗うのかな?

するとトム、雨水が貯められていた桶から水を汲んでくると、シンクに食器用洗剤とともにぶち込み、「よし」と言いました。

よし?

「汚れだけブラシで落としてくれたらいいから」と言い残すと、トムは居間へと戻っていきます。

一番許せなかったところ

泡…。泡流さない…。あわあわあわあわ…。

自分でも何をしているのか頭が追いつきません。可食の食器用洗剤を使ってくれたのでしょうか。しかし彼は私の洗ったカップを見て喜んでコーヒーの二杯目を作っていたのでこれで良かったのでしょう。怖すぎる…。

これで今日の仕事は終了です。あとはゆっくりするだけでしょうか。

「風呂行くぞ~~~」

トムの叫び声が聞こえます。風呂??風呂って言ったな??

とりあえず彼についていきます。

既に嫌な予感しかしない

「さあ入ろう!!!」

服を脱ぎ始める彼。

いやいやいやいや。見るからになんか居るしすごい臭いし。この後シャワーを浴びられるならまだしも、これに浸かって一日放置はさすがにしんどすぎる。

結局断りながら逃げました。彼はひたすら「こんなに良い景色はない。君はここに来た全てを損している。がっかりだ」と言い続けていました。知ったことではありません。

そう、ここに来てようやく気付きました。

彼と私とではあまりに衛生観念が違い過ぎたのです。汚い環境自体は平気だと私自身思って生きてきたのですが、彼の生き方はそのラインを容易に下回っていきました。もはや水浴びをしている彼が同じ人間に見えません。

ここに人間は住んでいなかったのです。住んでいたのは

もののけたちだけだったのです。

冗談はさておき、日が暮れると私たちは早々にベッドへ向かいました。真っ暗で何もできませんし。存外に強かった私のお腹を褒めてあげます。えらいえらい。

オーストラリア初鍾乳洞へ

翌朝は家と庭の掃除だけしておしまいになりました

散々書きましたが、まあ貴重な経験であることに変わりはありません。なかなか国立公園のど真ん中で宿泊する機会には恵まれないでしょうし。

帰りに地元の人の間では有名らしい鍾乳洞に連れていってくれました。WOMBEYAN CAVESという名前で、広大な鍾乳洞には150以上の入り口があるのだとか。

ガイドツアーに参加し、他の参加者たちと合流した後、ツアーの案内人のお兄さんが格好良く登場しました。

「今からこの穴入るぞ!」って言ってる

ユーモアに溢れた人のようで話がいつまでも終わりませんでした。

入り口は梯子になっていて、一人一人順に下っていきます。

こんなに通路が狭い鍾乳洞は初めてだったのでワクワクしました。地元にある鍾乳洞は全体的に大きいので。
もはや山口県がオーストラリアなのではないだろうか

1時間半ほどかけて洞窟の中を行ったり来たりしました。鍾乳洞の中は気温が一定に保たれており、涼しさを感じながら探検を楽しむことができました。
地元の人しか知らないような観光地を訪れることができるのはWWOOFをしている利点ですね。

総括:オーストラリアの田舎の生活を満喫できました

これが役立たないことを祈っていた

今回は不満に感じたところを書きましたが、全体としてはかなり満足のいく生活を送ることができました。

仕事は大変ではありませんでしたし動物たちがひたすらに可愛く世話をするのも楽しかったです。

次に訪れるところも良い場所であればいいなあと願いつつ、トムたち家族と別れを交わして電車に乗り込みました。次に訪れるのはカンガルーアイランド。アデレードから南に下った島の一つ。

飛行機に乗るため一瞬帰ったシドニーのやすい日本食レストランでどんぶり二杯かっ食らった私はまた新たな旅に出たのでした。米が恋しかった。

それではまた!

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2 件のコメント

  • あーーーー!そうなんだ。今も。
    私が高校生の時、希望者だけがオーストリアかカナダに語学研修に行きました。
    その時、オーストラリアに行ったクラスメートがどの家も、洗剤で食器を洗って
    最後に清水で流さないというのです。
    テーブルに靴のまま足を乗せるなど、皆、食事にいつも疑問符がついていたと言ってました。
    今も変わってないのかな?衛生観念が違い過ぎると言っていました。
    それか、おじいちゃんが、私たちが高校生の頃、ステイ先のホストファミリーって年齢か、
    なぁんて、考えてしまった。あーーーー、ちょっと無理!

    いろんな意味でsurvive。
    次も良い、ご縁がありますように!

    • ええそうなんですか!!!!自分のところだけじゃなかったんですね!!!!
      ぜったいに許しません!!!!!あれだけは!!!
      きっとhsさんが高校生の頃のホストのままなんですね!!洗剤は水で流しましょう!!!!!!

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